第一回インタビュー
環境週間プロジェクト 〜その始まりとこれから〜

              語り:2002年度環境週間責任者 多田裕之介氏・浅岡良彦氏 
                      インタビュアー:E.C.O. 酒井一樹・奈良和紘

E.C.O.の活動の中でも重要な位置を占める「環境週間」。
今回はその慶應大学の第一回環境週間の責任者をつとめた2人にインタビューを試みた。

@ 環境週間プロジェクト立ち上げの経緯



酒井
「まず、環境週間プロジェクトの立ち上げのいきさつについてお聞きしたいと思います。
聞いた話によると環境週間立ち上げは大学の職員さんと話していて決定したそう
ですが、これはどういう事なのでしょうか?」


多田
「職員側としても、サークル側としても、もっともっと塾生に環境をアピールしたか
ったということです。それまでE.C.O.では古紙回収をメインにやってきて“古紙回収
などの次になにがしたいか”と考えたところ、やるならば教員・職員・塾生を三者ま
きこまないと、本当に普及していかないということで、そういう企画は慶應でも珍し
かったので、打診したところ学校もそれに乗り気だった。」


浅岡
「伝統のある古紙回収活動は、ノウハウができてしまっていたけど、自分たちの代で
やりたいことをやらなければ、モチベーションが下がる。環境週間は賛同者が多く、
みんなのモチベーションもあがり、新しい活動として面白いと思った。なにかを引き
継ぐだけでなく、既存のものをアレンジしたり、新しいものを作っていかなければ楽
しくないからね。それがサークルの活性化にもつながるし。」


多田
「何をやるのか・方向性が決まっていなくて、大変だったけど、とりあえずはやって
みることになったんだよね。講演会が妥当だったし、ミンミ(環境に優しい容器の一
つ。慶應の三田祭・矢上祭などで使われている)もやりやすかったかな。


浅岡
「なんでもアリの意見を求めてたら、環境劇とか漫才とか。」


多田
「ボツでも良いからとにかく色んな案をだしてもらったりして。(笑)」


浅岡
「最初は翌年やろうという話だった(2月時点)が、その年に強行開催して(10月開催)。」


多田
「一発企画だけだったらどうにもならない。2月の時点というとあと半年後だから、
一番初めにやるのに半年しかないのは無理ではないかと不安があった。一方、2年の
浅岡は日吉にいる間にやりたいと考えていて、やるからにはやろうという後押しがあった。」


浅岡
「あと当初は、続けることが大切だから、E.C.O.主催でやるのではなく実行委員会を
作りたかった。塾生・教員・職員からメンバーを一般公募して、塾全体を挙げてつく
りあげた企画として。
でも、初めての企画なのにいきなり委員会形式は難しかった。まずE.C.O.が成功さ
せ、見本を見せろということになったんだ。」


奈良
「なるほど。」


多田
「どういう風にしたら一番効率よく塾生にアピールできるかずっと悩んでいた。
その年の1月にIBMの見学に行ったんだけど、IBMでは環境部門のトップが、社長
とのつながりをもっていたんだ。トップダウン形式だから環境経営がなりたっていた。
それで後日、塾長に直接話を持っていく時に、見学に同行した職員さんに委員会設立
を提案した。でも、さっき言ったとおり、まずはE.C.O.がやることになった。」


(*その翌年の話ですが、その職員さんがトップダウン形式を導入したことにより、
分煙などが迅速に進んだという話もあります。)


多田
「一つのサークルが学校全体に環境意識を広めるのは難しい。まずは塾長がいかに
環境意識をもってくれるか、ということで塾長と一緒にできる企画があがったね。」


浅岡
「でも、この調子でいけば2・3年、4・5年もすれば実績が出てくるから、
E.C.O.主催ではなく委員会のしっかりした組織で作れるようになるんじゃないかな。
E.C.O.でやるにはあまりに負担が大きすぎます。」


多田
「一年目の報告書の最後にも、委員会を作ってほしいというくだりをつけたよね。
仕事が多すぎて、E.C.O.の仕事ではじめてイライラした(笑)」


多田
「個人的には、E.C.O.の中でも環境意識は個々でバラバラなんだから、それをまず
高めてから、塾生や教職員にも広めていきたいという思いもあった。意外に乗り気
でない人もはじめはいた。会社と違ってサークル活動だから、成功するかどうか
考えるより先にまずはやってみようということで、やってみた。
とにかく、やりとげる楽しみっていうのを知ってもらいたかったね。苦しい経験こ
そ強烈に思い出に残ると思うし、個人的にもよい思い出を作ってほしいと思った。」


浅岡
「多田さんがよくいうように、楽しさには二種類あると思う。その場限りの楽しさ
と、後にも残る楽しさ。サークルの活動は前者に傾きがちだけど、そろそろ二つ目
の楽しさを知ってもらってもよいのではないかと。」


多田
「あくまでサークルだからね。環境が好きな人、遊びたい人、いろんな人を一つの
イベントにまとめることには苦労した。」


浅岡
「話は変わるけど、最初の環境週間では委員会にはできなかったけど、外部の人も
取り込みたいという気持ちもあったから、実際にポスターで参加者を募集したんだ。
そしたら何人か本当に手を挙げてくれたし、それをきっかけに他サークルの協力も
得られた。だから、E.C.O.に入る入らないは別として、塾生全体を巻き込んで大々
的にやる
という方向性はよかったと思います。」


A第一回環境週間をやってみての感想・反省など


多田
「組織としてしっかりしていないから、うまくいかない部分もあるのかなと思った。
組織をしっかりさせることも重要。前年度の反省はしっかりさせようという事で、初
めて報告書を作成することにもなったね。」


浅岡
「多田さんがよく言っていたけど、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底するの
は大事だね。環境週間では実際かなり徹底されたんだね。」


多田
「できる企画、できない企画の線引きははっきりさせるべき。一ヶ月前になっても
夢ばかり膨らませてもどうしようもないんだよね。だから、きっちり締め切っていか
ないと、サークルだからいい加減になってしまう。
あと、極東証券へ援助要請をしに行った事があったんだけど、企画書がしっかりして
いなくて、付き返された。ノウハウがなかったんだよね。そういうの書いたことなか
ったし。“死に物狂いでやらなきゃいいものはできない”…って言われたね。」


浅岡
「サークルといえど、プロ意識が大事だと思う。社会人の方に言われたんだけど、
学生だけでやっていたら、ナアナアになってしまうからね。外部の人、職員さん
や地域の人と関わると「責任」を発生してくる。だからあえて他の人たちと関わって
責任をもって、社会性のともなった活動をすることが学生の活動に求められるんじゃ
ないかな。自己満足でやっていては妥協が効いてしまう。」


多田
「次の課題は外部からの反応かな。ただし、内部にも課題は多いけど。日吉は地域住
人が通行できる、特殊なキャンパス。最初はフリマなどの案もあったんだ。」


浅岡
「今年(2003年度)の環境週間もひようら(日吉駅西口)商店街とのゴミ拾いに挑戦
しようとしたし、地域との連携はやっぱり求められてるんじゃないかな。三田の方で
は商店街が積極的に協力してくれてたし、外部にも“協力したい”というニーズはあ
るはず。キャンパスの立地条件・地域に対応したことをするのがいいね。他大と比べ
て遅れているなら、他のマネをするのもアリだけど…。」


多田
「もっと個人個人の意見もだしてほしかったな。エコという場だけでなく、日常生活
の中でも環境について考えたり、アイデアを探したりしてほしい。」


奈良
「メンバー個々の環境意識は、環境週間を通して上がったと思いますか?」


多田
「まあ自分たちの環境意識を高めよう、というよりは(みんなの環境意識)を「高ま
らせよう」っていうモチベーションだったからね。本番当日などはみんながんばって
くれていた…が、忙しさによるテンションアップだったかもねぇ。でも、やる気は伝
わってきた。」


浅岡
「もともと一般塾生の環境意識を上げるのにあたって、E.C.O.の環境意識は元々高い
という前提があったから、メンバーの意識とかはあまり考えてなかったですよね。」


多田
「でも、環境週間を境にやる気があがったメンバーもいるよ。」

B今年の環境週間を見ての感想



酒井
「去年責任者をやった人間として今年(2003年)の環境週間を見てどう思いましたか?」


浅岡
「矢上小とのゴミ拾いは大きかったね。あとは他大学との連携かな。さっきも言った
ように外部との連携は大事。その点はすごくよかった。外部から色々吸収してほしい。」


多田
「でも、運営方法はまだまだ。ノウハウに勉強が必要だね。宣伝もまだまだしきれて
ないし。あと木村さん(*慶應大学の職員さん。環境週間などE.C.O.の活動をバック
アップしてくださっている)の存在が大きい。もしいなかったらどうする?って。」


浅岡
「あとは、環境週間の目的が塾生の意識向上にあるなら、もっと関わりやすい企画が
必要だよね。講演会なんかも、新研究室棟(来往舎)の入り口を使ったりしたほうが
目立つし、入りやすい。」


多田
「良さそうだからやってみたものの、内容に深みがない企画もあったよね…。あと、
三田の企画だけど東電のシンポジウムは内容が簡単すぎたって意見がアンケートに
あって。とっつきやすさで言えば、今年の矢上祭の水企画(水にまつわるエコセト
ラ)がよかったね。」


浅岡
「他大の環境週間で、東大の自転車発電は面白かった。」


多田
「でも良い方向には進んでいるよね。初めにやったことは誇りに思う。」


奈良
「そういえば、環境週間とは関係ないんですが早稲田の環境ロドリゲスがリサイクル
ファッションショーをやっていたそうですよ。」


浅岡
「いいね、そういう企画は学内コラボにもなるし。」


多田
「ただ、今は企画数が多い。一日一個など集中させてやるほうがいいね。あと、講演
会などで大物を呼ぶなら、もう間に合わない可能性もある。」


奈良
「自分がやることしか把握できない人もいますよね。」


多田
「人を部品にたとえると、自分の部品が何をするためのものなのかわかってないとい
けない、全体像を見れてなくてはいけない。月間報告などでミートを開いて、情報共
有をしていかないとね。企画・製作・広報などの部門で先に分けるのもアリだと思う。
そうすれば、全体が見えてくるかも。」


奈良
「大規模団体ならそれもありなんですけど、今のエコはそこまで大規模じゃないですよね」


酒井
「そうだね。あと、色んなことやったほうが面白いですし。」


浅岡
「俺が今関わってる外部団体のシンポでは、メンバーは企画にかかわる一方で、広報
や製作などの部門にも入ってるよ。ようするに広報専門ではなく、他の部門にも関わ
るし、逆もまた然り。頻繁なミートも必要だと思う。どんな企画をするかだけでな
く、役職をどうわけるかということの話し合いも必要。それも考えてほしい。」


多田
「企画ごとの掲示板を作ってみるなんてどうかな。そこで色々話し合うとか。」


酒井
「今ちょうど勉強会がそんな感じですよね。」


多田
「まぁややこしいかもしれないけどね。」


浅岡
「過去の報告書や企画書・MLログなども見るべき。あと、環境週間中に取っているア
ンケートなども振り返ってみてほしい。」


酒井
「そうですね、報告書などは、みんなが手軽に見られるようなシステム作りをしていきたいですね。」


多田
「昔の報告書や企画書は読んで欲しいね。昔のメーリングリストを読むと、今と同じ
会話が繰り返されてる
んだよね。ホウ・レン・ソウが徹底されていない証拠だから、
上下の人間との連絡はちゃんとしていきたい。そのために作った報告書だしね。」


C開催時期に関して



酒井
「去年10月開催だったのに対して今年は6月開催になりましたが、それに関しては
どう思われますか?」


多田
「10月は、三田祭で使うミンミの宣伝にはよい時期。でも、三田祭でミンミを使う
という事はもう確立しているのでこれは意味がないかもしれない。みんな来年どうす
るか考えてるのかな?環境週間の役職は他の役職ひきつぎと同じ時期でなくてよいし、
できるだけ早く動くべきだと思う。極端な話、6月に環境週間が終わった直後に
引き継いでも良かった。」


酒井
「では6月開催・10月開催のメリットやデメリットに関してですが、6月よりも
10月の方が大学に来る塾生が多いので、10月の方が多くの塾生に環境週間に関
わってもらえるのではないかとも思うのですが」


多田
「それを言ったらオリエンにやるのが一番なのかな(笑)。クオリティは下がるだろうけど。
 でも、完璧をもとめる必要はないんだよね。例えば携帯灰皿を友達が使っていて、
それに影響される人もいるはず。全塾生に環境週間を知ってもらうのではなくて、
環境週間で影響された人がそれを周りに伝えていけばいい。


酒井
「逆に10月開催のデメリットとしてよく言われる“夏休みを挟むため準備が難しい”
という事がありますが…」


多田
「去年は、夏休みに帰省した人がいて仕事が止まったということはあったね。」


浅岡
「多田さんが8月の時点で、ダメな企画は廃止にしたんですよね。」


多田
「でも、休みをはさむことの影響を考えていたら、結局はいいものができない。


浅岡
「6月でも10月でも、結局 春休みか夏休みのどっちかには重なってしまうわけだしね。」


酒井
「なるほど、たしかにその通りですね。他にも、他大と連携するなら6月(世界環境月間)
が良いという意見がありますが。」


浅岡
「やはり環境月間だからというのは大きいね。」


(世界環境月間が6月、世界環境デーが6月5日だという話に)


多田
「じゃあ、月曜からはじめなくても(5日からで)良いんじゃないの?」


酒井
「あと、“6月の第一週は○○大学、第二週は××大学…”というように、少しずつ
時期をズラして開催すれば、お互い協力しあえるし、環境月間であるということを活
かすことができるので面白いのではないかとも言われていますが、それに関してはど
う思われますか?」


浅岡
「同時で、リアルタイムで状況を公開しながらやってみても良いと思うんだけど。」


多田
「テレビ電話なんか借りてみてもいいんじゃない?他大の環境週間の様子映したりして。」


奈良
「ただ、それだと人手を出し合うことなどはできませんよね。」


浅岡
「それは仕方ないね…その場合は、割り切る。」


多田
「俺はテレビ電話、お勧めするよ(笑)」



Dこれから環境週間にかかわっていく人たちへメッセージを。


浅岡
「スタッフがドタバタしてるイベントは失敗だと思う。他のイベントに行ってみて、
それを自分が仕切るなら?と考えてみてほしいね。」


多田
「責任者経験をさせて、メンバーを成長させることも考えてほしいね。担当してる仕
事に、自分の色を加えていってほしい。
ただ、エコはサークルであって、あくまで会社ではない。まずはやってみて、そのう
えで意味があったのかが来て、そしてそのあとに成功したかどうかが来るのではない
かな。社会・会社ではその逆なんだけど。だからこそ、学生でなくてはできないとい
う感じもある。」

浅岡
「アドバイスも下級生からドンドン聞いてきてほしいね。あとは、もっと三田(3・
4年のキャンパス)の部室に来てほしい。上級生と下級生が話し合える場を。上の人
にも積極的に話・アドバイスを聞こう!OB会に来て見るのもよいしね。」


多田
「色々やりすぎると、全部ダメになりそうな危険もある。継続は大事。でも、失敗を
恐れずにチャレンジもしていってほしいね。」


矢上キャンパスカフェテリアにて。
左が浅岡氏(慶應大法学部3年)、右が多田氏(慶應大商学部3年)

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